2026.05.01
副業OKにする場合の法的注意点

近年、働き方改革や人材確保の観点から「副業・兼業を認める企業」が増えています。厚生労働省も副業・兼業の促進を掲げており、企業側でも制度導入を検討するケースが増えてきました。
しかし、副業制度は単に「副業を許可する」と決めればよいものではありません。適切な社内ルールを整備しないまま運用を始めてしまうと、労務管理や情報管理の面で思わぬトラブルが発生する可能性があります。
本記事では、企業が副業制度を導入する際に押さえておきたい法的な注意点について解説します。
副業は原則として禁止できるのか
法律上、労働者の副業を一律に禁止する明確な規定はありません。
そのため、近年の裁判例では、企業が副業を全面的に禁止することは合理性が求められるとされています。
ただし、企業には以下のような正当な理由がある場合、副業を制限することが認められる可能性があります。
- 本業の業務に支障が出る場合
- 同業他社での就業など競業行為に該当する場合
- 企業秘密や顧客情報の漏えいのおそれがある場合
- 長時間労働による健康管理上の問題が生じる場合
つまり、副業制度は「許可する・しない」という単純な問題ではなく、企業の利益や労務管理とのバランスを考えながら制度設計を行う必要があります。
副業制度を導入する際に企業が注意すべきポイント
副業制度を導入する場合、少なくとも次のような点を整理しておく必要があります。
1.就業規則の整備

副業制度を導入する場合は、就業規則において以下のような事項を明確にしておく必要があります。
- 副業の申請・許可手続き
- 副業を認めないケース
- 情報漏えい・競業行為の禁止
- 労働時間管理の方法
ルールが曖昧なままでは、個別判断のばらつきやトラブルの原因になります。
2.労働時間管理

副業を認める場合、本業と副業を合算した労働時間が問題となるケースがあります。
特に以下の点は企業として把握しておく必要があります。
- 長時間労働による健康管理
- 割増賃金の問題
- 労働時間通算の問題
副業先の労働時間をどの程度把握するかについても、制度設計の段階で整理しておく必要があります。
3.競業・情報漏えいリスク

副業制度を導入する際に最も問題となりやすいのが、競業行為や情報漏えいです。
例えば以下のようなケースです。
- 同業他社での副業
- 自社顧客を対象とした副業
- 社内情報の利用
このようなリスクを防ぐため、競業禁止や秘密保持に関するルールを明確にしておくことが重要です。
副業制度は「社内整備」が重要
副業制度は、単に「OKにするかどうか」ではなく、
- 就業規則
- 労働時間管理
- 情報管理
- 競業防止
- 申請・許可制度
といった複数の要素を整理して初めて適切に運用することができます。
制度設計を誤ると、
- 従業員とのトラブル
- 労働時間管理の問題
- 情報漏えい
といったリスクにつながる可能性があります。
そのため、副業制度の導入や社内ルールの整備を検討する際には、企業法務に詳しい弁護士とともに制度設計を行うことが重要です。
副業制度・社内コンプライアンス整備は弁護士へご相談ください

副業制度は、人材確保や働き方の多様化に対応するうえで有効な制度です。一方で、適切な社内規程の整備やリスク管理を行わなければ、思わぬトラブルにつながる可能性もあります。
当事務所では、
- 副業制度の導入に伴う就業規則の整備
- 社内コンプライアンス規程の作成
- 労務トラブルを防ぐための社内ルール設計
など、企業の実情に合わせた法務サポートを行っています。
副業制度の導入や社内規程の整備を検討されている企業のご担当者様は、ぜひ一度弁護士へご相談ください。






