企業法務コラム

2024.05.22

【2024年最新版】企業がIPOで成功するための法律戦略 ~東芝粉飾決算事件の教訓から学ぶ、適正ガバナンスと法的コンプライアンスの重要性~

企業がIPOで成功するための法律戦略:2024年最新版~東芝粉飾決算事件の教訓から学ぶ、適正ガバナンスと法的コンプライアンスの重要性~

2023年3月に発覚した「東芝粉飾決算事件」は、企業の不適切な会計処理が招いた深刻な問題として、市場に大きな衝撃を与えました。この事件を教訓に上場審査における「適正ガバナンス」と「法的コンプライアンス」の重要性がますます高まっています。

IPOは、企業にとって大きな飛躍を遂げるための重要な機会です。 しかし、上場審査は厳格化しており、企業は高度なガバナンス体制や法令遵守体制を構築する必要があります。

本コラムでは、日本の法律に基づくIPO成功のための最新版法律戦略を解説します。

1.コーポレートガバナンスの整備:取締役会機能強化と独立監査役設置

1.コーポレートガバナンスの整備:取締役会機能強化と独立監査役設置

上場企業は、透明性の高い経営体制を構築するために、以下の2つのポイントについて重点的に取り組む必要があります。

1-1.取締役会の機能強化

取締役会の構成

取締役会の構成

独立性の高い外部取締役の比率を高め、客観的な意思決定を可能にする。

取締役会の役割分担

取締役会の役割分担

監査役会との役割分担を明確にし、経営監督機能を強化する。

取締役会の意思決定プロセス

取締役会の意思決定プロセス

明確な議事録を残し、透明性の高い意思決定を行う。

1-2.独立監査役の設置

監査役の選任

監査役の選任

取締役会とは独立した立場から選任し、客観的な監査を行う。

監査役の職務

監査役の職務

監査報告書の作成だけでなく、経営状況の監視や取締役会への助言など、積極的な役割を果たす。

2023年度より取締役会の構成を外部取締役の比率50%以上に変更し、
透明性の高い意思決定体制を構築。

2.法的コンプライアンスの確認:専門家による徹底チェック

2.法的コンプライアンスの確認:専門家による徹底チェック

IPOプロセスでは、以下の3つのポイントを徹底的にチェックし、法的コンプライアンスを確保する必要があります。

2-1.関係法令の遵守

2-1.関係法令の遵守

金融商品取引法、会社法、その他関連法令を遵守し、適正な情報開示を行う。
特に、会計処理、内部統制、コーポレートガバナンスに関する法令遵守に注力する。

2-2.必要書類の作成

2-2.必要書類の作成

上場申請書、有価証券報告書、その他必要な書類を正確かつ丁寧に作成する。
専門家による書類レビューを徹底し、記載内容の正確性と法令遵守を確認する。

2-3.申請プロセスの管理

2-3.申請プロセスの管理

証券取引所への申請手続きを円滑に進め、上場審査をスムーズに通過できるように準備する。
法的なリスクを回避するため、専門家によるサポートを受ける。

上場前に専門家チームを立ち上げ、法令遵守体制を強化。
上場審査をスムーズに通過し、IPOを成功させた。

3.税務戦略の最適化:税務専門家による綿密な計画策定

3.税務戦略の最適化:税務専門家による綿密な計画策定

IPOにおいては、以下の2つのポイントを軸に、税務戦略を最適化することが重要です。

3-1.税負担の把握と計画策定

3-1.税負担の把握と計画策定

上場による資本利得や株式報酬に関連する税負担を事前に把握し、適切な税務計画を策定する。
長期的な視点に立った税務戦略を立案し、将来的な税負担を最小限に抑える。

3-2.経験豊富な専門家との連携

3-2.経験豊富な専門家との連携

税理士や法律の専門家と協力し、税務上のリスクを回避しながら、合法的な節税対策を検討する。
個々の企業の状況に合わせた最適な税務戦略を策定する。

上場前に税務リスクを徹底的に分析し、株式報酬制度の見直しなどを行い、
税務負担を最小限に抑えた。

4.透明な情報開示体制の構築:投資家との信頼関係構築

4.透明な情報開示体制の構築:投資家との信頼関係構築

上場企業は、投資家に対して以下の3つのポイントを軸に、透明かつ正確な情報を定期的に開示する必要があります。

4-1.定期的な財務報告

4-1.定期的な財務報告

四半期報告書、決算短信などを適時かつ正確に開示し、経営状況を透明化する。
財務諸表には、投資家が必要とする情報を分かりやすく記載する。

4-2.経営状況の開示

4-2.経営状況の開示

事業戦略、リスク管理、ガバナンス体制など、経営状況に関する情報を定期的に開示する。
投資家説明会やIR資料を通じて、積極的に情報発信を行う。

4-3.専門家によるサポート

4-3.専門家によるサポート

弁護士やIRコンサルタントなどの専門家からアドバイスを受け、適切な情報開示体制を構築する。
情報開示に関する法令遵守を徹底し、投資家との信頼関係を築く。

上場後もIR活動に力を入れており、投資家から高い評価を得ている。

5.継続的な法的支援の確保:変化に対応する柔軟な体制

5.継続的な法的支援の確保:変化に対応する柔軟な体制

IPOはゴールではなく企業成長の新たなスタートです。
上場後も、以下の2つのポイントを軸に、継続的な法的支援を確保することが重要です。

5-1.新たな法的課題への迅速な対応

5-1.新たな法的課題への迅速な対応

法規制の変更や市場環境の変化に迅速に対応し、必要に応じて弁護士などの専門家に相談する。
新たな法的リスクをいち早く察知し、適切な対策を講じる。

5-2.長期的な視点に立った法的サポート

5-2.長期的な視点に立った法的サポート

M&Aや海外進出など、企業成長に伴う様々な法的課題に対応できる弁護士チームを構築する。
長期的な視点に立った法的サポートを受け、持続可能な成長戦略を策定する。

法務部内に専門性の高いチームを複数編成し、様々な法的課題に対応している。

まとめ

IPOは、企業にとって大きな飛躍を遂げるための重要な機会です。しかし、成功するためには、適切な法律戦略を立てることが不可欠です。

本コラムで紹介した5つのポイントを参考に、専門的な法的支援を受けながら、戦略的に準備を進めることで、企業は持続可能な成長を実現し、投資家からの信頼を獲得することができます。

※ 上記の情報は、一般的な情報提供のみを目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な問題については、必ず弁護士にご相談ください。

弁護士法人高瀬総合法律事務所
ツールバーへスキップ