解決事例

Resolution case

支払いを拒否されていた売掛金を満額回収した事例

history of the problem

依頼者である企業は、ユーザーから一定の料金を受け取る約束をしていたにもかかわらず、そのユーザーが支払いを拒否し続けていました。

通常、こうしたケースでは弁護士が内容証明郵便を送付し、「○○円を支払ってください」と明確に請求します。ただし、相手方がそもそもお金を持っていない、あるいは支払う意思がないという状況では、弁護士名義の書面を送っても動かないことが多いのが実情です。

本件でも、当初の内容証明郵便に対して相手方は応じませんでした。そこで、より法的な強制力のある手続きとして支払督促の申立に進むことになりました。


Client Issues and Desired Outcomes

クライアントの希望

  • 支払義務があることを相手方に明確に示し、できる限り回収したい
  • できれば早期に、依頼者の負担(出廷など)なく解決したい

本件の難しさ

  • 相手方に支払意思・支払能力があるか不明な段階では、強制執行をしても回収できないリスクがある
  • 支払督促に対して相手方が異議を申し立てると通常訴訟に移行し、解決までに時間を要する
  • 相手方が無視・逃げ続けた場合、判決を取っても強制執行が必要になる可能性がある

Consequences of this issue.

依頼者企業のユーザーが料金を長期にわたって支払わず、督促しても応じない状態が続いていました。

弁護士が介入し、内容証明郵便の送付・支払督促の申立・訴訟への移行という段階を経て、最終的に相手方から自発的な一括入金がなされ、請求金額の満額を回収することができました。

債権回収案件は、相手方に支払能力がない場合や連絡が取れない場合など、回収できないことが珍しくありません。今回のように満額回収できたのは、弁護士が状況を見極め、適切な手続きを段階的に選択・実行したことが大きなポイントです。

Attorney’s Commentary on Key Legal Points

ポイント① 「支払督促」は、通常訴訟より負担が少ない有効な選択肢

債権回収の手段には、次のような様々な手段があります。

  1. 内容証明郵便を送付し、相手方に任意の支払いを促す
  2. 預貯金などを対象とした仮差押えを行う
  3. 支払督促を申し立てる
  4. 訴訟を提起する

どの手段を選ぶかは、相手方の属性・支払能力・財産の有無・これまでの交渉経緯などを踏まえたうえで判断します。

本件では、まず内容証明郵便による任意の支払い要求を行い、それでも支払いがなかったため、次のステップとして支払督促を選択しました。

支払督促は、裁判所を通じた手続きでありながら、通常の裁判のように法廷に出廷して弁論等をおこなう必要がなく、書面のやり取りだけで進められる簡易な手続きです。弁護士から送られる書面と、裁判所から送られる書面とでは、相手方に与える心理的プレッシャーが異なるのではないかと思われます。「裁判所から書面が届いた」という事実が、相手方を動かすきっかけになることが一定程度あるものと考えます。

ポイント② 相手方の「異議申立」が、逆に解決への糸口になった

支払督促の手続きは、以下の2段階で進みます。

段階内容
① 支払督促の発付・送達裁判所が督促状を相手方に送付する
② 仮執行宣言付支払督促の発付・送達①で異議がない場合、執行力が付与された督促状を送付する

②の段階でも異議の申立てがなければ、支払督促は確定判決と同一の効力を持ちます。

本件では相手方から異議が申し立てられたため、通常訴訟(本件は請求額が140万円以下であったため、簡易裁判所)へ移行しました。異議の具体的な理由は明示されていませんでしたが、おそらく「一括払いではなく分割払いにしてほしい」という意向があったと推測されます。

異議が申し立てられたことで手続きが長引くように見えましたが、「裁判所が関与し、公的な手続きが進んでいる」という現実が相手方に強く伝わり、最終的な支払いにつながったと考えられます。

ポイント③ 判決取得後も「強制執行」が必要なケースがある

裁判で判決を取ったからといって、自動的にお金が振り込まれるわけではありません。相手方が支払わない場合は、強制執行の手続きを取り、不動産・預貯金などを差し押さえる必要があります。

本件では、判決取得後に相手方から自発的に「一括で払う」という連絡があり、実際に支払いが行われました。弁護士としても強制執行の準備を念頭に置いていましたが、裁判という公的手続きを通じたプレッシャーが相手方の決断を促したものと見られます。

ポイント④ 依頼者の負担は最小限に

本件を通じて、依頼者企業の担当者が裁判所に出向くことは一切ありませんでした。

弁護士が代理人として手続きを進めたため、依頼者は通常業務を続けながら回収活動を任せられる状態でした。

まとめ

債権回収は、相手方に支払能力があるかどうかによって結果が大きく左右されます。100%の回収を保証することはできませんが、どのタイミングで、どの手続きを選ぶかという判断の積み重ねが、回収の可能性を高めます。

本件では、

  • 内容証明郵便 → 支払督促 → 訴訟という流れを選択(仮差押えなど他の手段も検討しつつ、本件の状況に最適な流れを判断)
  • 裁判所を通じた手続きによる心理的プレッシャーの活用
  • 弁護士が代理することで依頼者の負担を最小化

という3点が、満額回収という結果につながりました。

「取引先や顧客からの支払いが滞っている」「支払いを催促しても無視され続けている」という場合は、早めにご相談ください。状況に応じた最善の手続きをご提案します。


売掛金・未払金の回収でお困りの方へ

髙瀬総合法律事務所では、企業の債権回収案件を数多く手掛けています。内容証明・支払督促・訴訟・強制執行など、状況に合わせた手続きを弁護士が一貫してサポートします。

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この事件を担当した弁護士

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Akiyama Kaoru

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