2025.08.20
事業譲渡後に問題発覚!後戻りはできる?

事業譲渡後に知った現実
引き継いだのは、長年地域で製造業を営んできた会社。譲渡契約を結び、代金も支払い、物件の賃料や保証金も済ませた。
「これから新しい経営を始めるぞ」と胸を躍らせていた矢先、帳簿を確認すると、数字がどうもおかしい。調べを進めると、収支データには虚偽があり、さらには安全管理や環境に関する法令違反まで次々と発覚した。
契約書は相手が用意したひな形で、表明保証条項もない。基本合意書も交わさず、事前のデューデリジェンス(精査)もしていない。気づけば、こちらに有利な武器はほとんど見当たらない。
「これではもう、泣き寝入りするしかないのか」
そんな思いがよぎるのも無理はないでしょう。
契約後でも救済の可能性はあります

結論から言えば、状況によっては契約をなかったことにしたり、損害の回復を求めたりできる可能性があります。
たとえば、相手が意図的に事実を隠していた場合は「詐欺」による契約取消、重要な事実について重大な認識違いがあれば「錯誤」による無効を主張できます。
また、契約上当然に満たすべき条件を欠いていると評価できれば「債務不履行」として契約解除や損害賠償請求をする道もあります。
ただし、これらはどれも簡単ではありません。相手の行為や説明がどこまで不適切だったのか、それが契約の判断にどれだけ影響したのか、こうした点を証拠と共に立証しなければなりません。
返金や契約無効をお考えなら弁護士に相談を

こうした案件では、契約書の条文だけでなく、交渉時のメールや議事録、契約後に判明した事実の重要性、業界慣行など、複数の材料を総合的に分析する必要があります。
弁護士は、それらを整理し、どの法的アプローチが可能かを見極めます。返金交渉や訴訟の戦略を立てることはもちろん、証拠をどの順番で提示するか、相手の反論をどう封じるかといった実務の部分も任せられます。
諦めないでください、救済余地はあるかもしれません

問題が発覚しても、動き出すのが遅れれば遅れるほど証拠は失われ、相手に言い逃れの余地を与えてしまいます。契約後だからこそ、「おかしい」と思った瞬間が勝負どころです。
事業承継やM&Aは、契約がゴールではなくスタートです。
想定外の事態に直面したとき、専門家とともに状況を立て直すことが、損失を最小限に抑える唯一の道になります。
M&A・デューデリジェンスに強く、
中小企業の経営事情に精通した弁護士は髙瀬総合法律事務所へ

当事務所には、契約や財務だけでなく、中小企業特有の経営課題や現場の事情まで理解している弁護士が在籍しています。
経営者が抱える「数字には出ない悩み」や「現場ならではの制約」も踏まえて対応するため、状況説明の手間が少なく、解決までの話が早いのが特長です。M&Aや事業承継で想定外のトラブルが発生したときも、実情に即した戦略を立て、あなたの利益を守ります。