2025.11.04
共同経営は難しい!共同経営契約書が絶対に必要な理由

「信頼している相手だから大丈夫」
そう思って始めた共同経営が、後にトラブルに発展するケースは少なくありません。
ビジネスの立ち上げ時には夢や理想を共有していても、時間の経過とともに経営方針の違い・資金負担・利益配分・労働時間など、細かな不一致が表面化します。
よくある共同経営のトラブル例
- 出資比率に見合わない権限を主張される
- 一方的に資金を引き上げられる
- 代表権の扱いをめぐって対立
- 取引先・顧客情報を持ち出されて独立される
こうしたトラブルは、感情のもつれだけでなく、訴訟に発展する重大な法的問題に発展することも珍しくありません。
大切な共同経営契約書「ひな形」で本当に大丈夫?

インターネット上には「共同経営契約書のひな形」が多数ありますが、ビジネスの内容・出資形態・役割分担・撤退条件などが異なれば、適用できる条項も全く違います。
しかも、いざ経営が始まると、現場の実態と契約書の内容が食い違ったまま修正されず、「形だけの契約書」になってしまうケースも少なくありません。
その結果、当初の約束があいまいになり、責任範囲や報酬をめぐってお互いに不満の種となっていきます。
さらに、共同経営では「共同経営契約書」だけでは十分でないこともあります。
たとえば次のような契約が、事業内容によっては必要になることがあります。
- 業務委託契約書:役割分担を明確にし、報酬や成果物の帰属を定める
- 出資契約書/株主間契約書:資金の出し方や持分、議決権の扱いを整理する
- 秘密保持契約書(NDA):経営ノウハウや顧客情報を守る
- 知的財産権に関する契約書:商標・著作権・システム開発などの権利を明確にする
これらを適切に組み合わせておくことで、後のトラブルを防ぎ、経営を安定させることができます。
形式的に作った契約書では、いざというときに法的効力が弱く、
「結局どちらの主張も通らない」という事態に陥ることもあります。
共同経営契約書は、必ずリーガルチェックを!

共同経営契約書は、信頼関係を守るための盾です。
最初の段階で弁護士によるリーガルチェックを受けることで、将来起こりうるトラブルを具体的に想定し、対策を講じることができます。
特に「解散・脱退時の取り決め」「知的財産の扱い」「役割と報酬の明確化」は、後から揉める典型的なポイントです。
弁護士が関与することで何が違うのか?
以下のように弁護士がチェック・作成した契約書は、次の点で実効力(=実際にトラブル時に使える力)が格段に高まります。
| 観点 | ひな形・自己作成 | 弁護士作成・チェック済み |
|---|---|---|
| 条文の適法性 | 条項が法律違反になっている可能性あり | 法律・裁判例に基づき整合性を確認 |
| 表現の明確性 | 解釈の余地があり曖昧 | 紛争時の立証を前提にした具体的な表現 |
| 抜け漏れの有無 | 想定外のケースに対応できない | 想定トラブルを事前に織り込む |
| 交渉力・抑止力 | 相手方に軽視されやすい | 弁護士関与の契約として拘束力・説得力が高い |
共同経営を成功させるためには、「信頼」だけでなく「法的な仕組みづくり」が欠かせません。
共同経営の事例から学ぶ法務の大切さ
【実例紹介】契約書がなかった共同経営トラブル
実際に当所へ寄せられた相談の中には、
「共同で事業を立ち上げたものの、契約書がなく口約束だけだったため、事業失敗後に資金返還をめぐって訴訟に発展した」ケースもあります。
弁護士が実態を立証し、最終的に預託金全額の返還を勝ち取ったものの、
契約書があればここまでの紛争には至らなかったと考えられます。
また、開業前に一度リーガルチェックを受けておけば、トラブルの芽を早期に発見し、
出資・業務分担・報酬ルールなどを実態に即して整理することが可能です。
後から修正するよりも、事前の確認が結果的に最も効率的です。
▶︎ 詳しくは[開業支援名目で支払った資金を巡り、全額回収を実現した事例]
共同経営はうまくいかない?弁護士に相談ください。

このように、共同経営は単独の経営とは違い、立場も思惑も異なる二人が関わるからこそ、起こるべくして起こるトラブルがあります。
ビジネスが複雑化するほど、責任や利益の線引きがあいまいになり、うまくいかないケースが少なくありません。
しかし、うまくいかない理由には共通の「落とし穴」があり、
それを事前に把握しておくことで、円滑な経営パートナーシップを築くことは十分に可能です。
髙瀬総合法律事務所では、日々多くの企業の顧問業務を担当し、
年間1000件以上の契約書作成・リーガルチェックを行っています。
その知識と経験をもとに、共同経営を成功へ導くための具体的なアドバイスをお伝えしています。
まずは一度、「リーガルチェック」、「共同経営に不安がある」だけでもお気軽にご相談ください。







