企業法務コラム

2025.12.17

解任させたい!代表取締役を「辞めさせる」ことは可能なのか?

解任させたい!代表取締役を「辞めさせる」ことは可能なのか?

株式会社では、代表取締役といえど絶対的な権限を持つ存在ではありません
取締役会を設置している会社であれば、取締役会決議によって代表取締役を解任することが可能です。

ただし、実務上は次のような障壁があるケースが多く見られます。

  • 社長が大株主であり、発言力が強い
  • 取締役会の構成が社長の息がかかったメンバーで固められている
  • 定款や議事運営が複雑で、手続に不備があると無効になりかねない

こうした場合でも、法的な整理と根拠に基づいた対応を行うことで、正当なプロセスでの解任が可能です。

社長を解任させるための3つのルート

社長を解任させるための3つのルート

取締役会による代表取締役の解職

定款で定められている限り、取締役会の決議で代表取締役を解任できます。
過半数の賛成が必要ですが、議決権や出席者数の計算方法など細部で争われることもあります。

株主総会による取締役の解任

取締役会の構成自体が問題である場合、株主総会決議で取締役を解任し、体制を再構築する方法も。
ただし、大株主が社長本人の場合は、株式比率の確認や議決権制限株式などの検討が必要です。

不正行為がある場合の法的対応

横領・背任・業務上不正など、明確な不法行為がある場合には、株主代表訴訟や仮処分といった法的手段も取れます。
この場合は、証拠の確保とスピードが重要です。

よくある誤解とリスク

社長=絶対権力者?

代表取締役は取締役会に選任・解職される立場。法的にコントロールは可能。

解任したら訴えられる?

不当解任と主張されるケースもありますが、正当な理由と手続きを踏んでいれば有効

人間関係が壊れるのでは?

感情的な対立になる前に、第三者である弁護士が介入し、冷静な整理を行うことが望ましいです。

解任させたい、そんな時に弁護士ができること

解任させたい、そんな時に弁護士ができること

弁護士は、次のようなサポートを行います。

  • 定款・登記・議事録などを確認し、最も確実な解任ルートを提示
  • 取締役会・株主総会の開催手続を法的に正しく進める支援
  • 社長による不正行為・背任行為がある場合の証拠保全・訴訟準備
  • 社内対立が訴訟に発展する前に、交渉・和解による円満解決の調整

経営トップの交代は、会社の命運を左右する重大な判断です。
感情的な衝突ではなく、法的根拠に基づいた冷静な対応が求められます。

弁護士が交渉して代表取締役を解任承諾に導いた実例

他社に無断貸付をした代表取締役を損害賠償の支払いなく解任した事例

実際に、髙瀬総合法律事務所では、弁護士交渉によって代表取締役の解任を実現した事例があります。
役員間の対立・代表取締役の解任承諾事例はこちら

代表取締役の解任を検討している方へ

「社長の独断で会社が危ない」「経営を立て直したい」
そう感じたときこそ、早期の弁護士相談が最善です。
弁護士が、現状を整理し、最も現実的で安全な方法を一緒に検討します。

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