自社ブランドの模倣商品の販売停止を実現した事例
- 2025.02.25
-
Case type
-
Lowyer
history of the problem 問題の経緯
相談時の 状況
- 業種
- 製造業
- 従業員数
- 40人
- 資本金
- 1000万
- 相談者
- 代表者
ある中小企業が独自に開発した機能性医療品が市場で人気を集めていました。
しかし、この商品の人気を受けて、類似したデザインや名称を持つ模倣品がオンライン市場に現れ、売り上げやブランド価値への影響が懸念される状況に直面しました。
模倣品はほぼ同じ形状と機能を持ち、商標登録されている商品名に類似した名称を使用していたため、商標権の侵害が疑われました。企業は、自社商品の保護するとともに販売停止を求め、弁護士に相談いただきました。
この事例では、迅速な法的対応によって模倣商品の販売停止を実現し、ブランド価値を守ることができた経緯を紹介します。
history of the problem クライアントの争点・希望点
争点・希望点
模倣品の販売を停止させ、被る損害を最小限に抑える。ブランドのイメージを守る。
将来的なトラブル防止のため、商標権の侵害が発生しにくい体制を整える。
Consequences of this issue. この問題の結果
弁護士から内容証明を送り販売停止が実現
模倣商品販売者に対して内容証明を送付することで、法的な注意喚起を行いました。販売者はこれに応じ、販売を速やかに停止しました。
依頼者の希望を踏まえ、裁判による長期化を避け、迅速に解決することを第一とした結果、内容証明の活用が、実質的なコスト削減に繋がりました。
history of the problem 弁護士ポイント解説
弁護士の名前で内容証明を送る効果
弁護士の名前で内容証明を送ることは、法的効果と心理的効果の両面で相手方に大きな影響を与えます。
内容証明に弁護士の名前が記載されると、相手方に「法的問題として専門家が関与している」という明確なメッセージを伝えることができます。これにより、相手方は問題を軽視しにくくなり、何かしら対応とる可能性が高まります。
さらに弁護士からの内容証明は、相手方に損害賠償請求による「裁判リスク」を認識させることができます。裁判に発展するリスクやコストを考えると、模倣商品を引き続き販売する意義やメリットがなくなります。
模倣品の回収の難しさ
模倣商品の販売停止を求めることは比較的実現しやすいものの、市場に流通した模倣品の回収は非常に難しいです。すでに消費者の手に渡っていれば購入者に返品を求める法的強制力がないため、全数を回収するのはほぼ不可能となります。
また、すでに流通した模倣品の「回収命令」を裁判所が認められるケースは少なく、仮に回収命令が出ても、実際の執行には膨大なコストと時間がかかります。
商標権など知的財産権(IP)の有効性
商品に対して商標権や意匠権が有効であるからこそ、模倣品の販売者に対して内容証明を送付することで効果を発揮します。内容証明郵便を相手方に送り模倣商品の差し止め(販売停止)請求しても商標登録や特許権がなければ、法的な効力が弱まり、内容証明を送るだけで販売停止を実現するのは難しいです。
知的財産(IP)権利の保護を徹底
商品が模倣されないために法的対策として、知的財産(IP)を徹底して保護する方法が有効です。
知的財産権の種類と目的
- 商標権:ブランドや名称の保護。商品名、ロゴ、などを早期に商標登録することで、第三者による模倣を防ぎます。
- 特許権:技術的な特徴や革新性、簡単に言うと発明を保護します。
- 意匠権:商品デザインや形状の保護します。
- 著作権:著作物を保護します。登録の必要はなく創作と同時に自動的に権利が発生します。
- 実用新案権:アイデアの技術的工夫の保護します。権利存続期間は出願日から10年間。
- 音商標:音に対して特定の商品やサービスを識別できるものとして商標登録がなされ保護。例えばパソコンの起動音やCMでの企業ロゴが出る際の音などです。
商標登録の手続きは、弁理士に
弁理士は、特許、商標、意匠などの知的財産権に関する専門知識を持ち、商標や特許といった知財の出願手続きの代理、管理などを行うことができます。
弁理士と弁護士の違いは?
知財の登録は弁理士が専門ですが、弁護士は知財に関する契約交渉、訴訟などができます。
弁護士ができること
- 知的財産権の侵害訴訟(例:商標権侵害による販売差し止め請求)
- 損害賠償請求(模倣品による損害が発生した場合)
- 契約書作成・交渉(ライセンス契約、共同開発契約など)
- 企業の法務全般(M&A、労務問題、コンプライアンスなど)
弁理士ができること
- 特許・商標・意匠の出願(特許庁への手続き代理)
- 特許審判の代理(特許庁における無効審判や異議申し立て)
- 技術的なアドバイス(発明の特許性評価、出願戦略の策定)
- 知財の活用支援(特許を活用したビジネス戦略)
弁理士弁護士どちらに相談すべきか?
相談内容 | 適切な専門家 |
---|---|
商標や特許を取得したい | 弁理士 |
競合に特許や商標を侵害された | 弁護士 |
知的財産に関する裁判をしたい | 弁護士 |
知的財産を活用してビジネス展開したい | 弁護士と弁理士の連携 |
ライセンス契約を作成・チェックしたい | 弁護士 |
知的財産権を守り、高めるには弁護士に相談を
模倣品対策は迅速な対応が鍵です。私たち高瀬総合法律事務所では製造業・ITソフトウェア企業を中心に知財戦略の実績が豊富で、模倣品の販売差し止めや損害賠償請求に対応しています。
弁護士は知的財産を「守る」だけでなく「活かす」視点も重視し、弁理士と連携しながら特許・商標を活用した事業戦略を支援します。知財を最大限に活かし、競争力を高めるためのサポートを提供します。
私たち高瀬総合法律事務所は東京・新宿、神奈川・相模原、新横浜に拠点を持ち、ビジネスの中心地で迅速な対応が可能です。企業の知財戦略を強化し、模倣品対策や知的財産の活用について、スピーディかつ的確にご相談いただけます。
この事件を担当した弁護士

高瀬 芳明代表弁護士
Yoshiaki Takase

経営者目線で白か黒ではなく「許容範囲内でのリスク承知でリターンを取れるような最適な課題解決策」のご提示を心がけています。