2025.02.06
キャラクター使用権トラブル 契約の交通整理が要

ゆるキャラなどのオリジナルキャラクターは地域や団体の顔として親しまれ、その可愛らしさや個性がグッズ展開や観光PRに大きく貢献しています。しかし、その人気さゆえに使用権をめぐるトラブルも少なくありません。今回は、弁護士の視点から「知的財産」をキーワードに、この問題を紐解きます。
キャラクター使用権のトラブルが起こる潜在的な問題点

1.契約書の不備
キャラクターの使用条件や報酬に関する取り決めが契約書で明確にされていない場合、後々トラブルに発展するリスクが高まります。
例えば、
■使用範囲の曖昧さ
キャラクターをどの媒体や地域で使用できるかが明確でないため、無断使用や想定外の商業利用で対立が生じます。キャラクター使用担当者からするとどんどんキャラクターを使っていきたい一方、作者としては想定外ということも往々にしてありトラブルが起こりえます。
■報酬に関するトラブル
売上の配分やライセンス料が明記されていない場合、不公平感から紛争に発展します。上記の使用範囲の線引きをしていないことでこれらのトラブルが発生します。
■著作権者の許諾範囲の不一致
キャラクターの一部改変や第三者への再許諾が許されるか否かについて、解釈の違いが生じます。

2.コミュニケーションの行き詰まり
担当者やゆるキャラの作者が話し合いで解決できず、平行線のまま放置され、折角の財産が休眠状態となってしまいます。

3.人気キャラの将来性
キャラが人気を博している場合、その存続やグッズ展開の需要が高まりますが、問題が解決しなければビジネスチャンスを逃す可能性があります。キャラクタービジネス市場規模は好調で2024年では2兆7000億となっています。
知的財産の視点で考える解決策
オリジナルキャラクターは、デザインや名前、設定などに知的財産権が絡むケースが多いです。
著作権や商標権の管理が適切に行われていないと、使用のルールや権利関係が曖昧になり、結果的にトラブルを招きます。トラブルが起こったときは以下のステップで問題解決を図ります。

- 契約書の作成と見直し
キャラクターの使用条件、報酬、権利関係を明確にする契約書を作成します。契約書がなければ、交渉のスタート地点にも立てません。 - 適切な交渉担当者の選定
作者や関係者と円滑なコミュニケーションを取るため、専門知識を持つ担当者や弁護士が必要です。感情的な対立を避け、公平な解決を目指します。 - 知財を活用したビジネス戦略
キャラクター人気を活かし、グッズ展開やイベントの収益化を目指します。そのためには、キャラクターの知的財産を適切に管理し、最大限に活用する必要があります。
休眠状態の知財が生む可能性
問題解決が進むと、これまで休眠状態にあったゆるキャラが再び活躍の場を得ることになります。
例えば
- グッズ販売やライセンス契約による収益化
- 地域振興イベントでの活用
- 新たなコラボ企画の展開

これにより、キャラクターやゆるキャラの存在が単なる地域の象徴から、実際の経済効果を生むビジネス資産へと変わります。キャラクタービジネスの市場規模は前述したように市場は非常に大きな可能性を秘めています。それにもかかわらず、ゆるキャラが休眠状態のまま放置されるのは非常にもったいないことです。
キャラクターなどの知的財産についてはまずは弁護士に相談を

知的財産をめぐる問題は、専門的な知識と経験が求められます。トラブルを未然に防ぎ、キャラクターの魅力を最大限に引き出すためには、適切な法的アドバイスが欠かせません。
私たち新宿・相模原・横浜で活動している高瀬総合法律事務所は、知的財産、契約に関しての解決実績豊富です。弁理士をお探しの場合にも紹介も可能ですので、まとめてお話もできます。
初回相談を無料で承っています。お気軽にお問い合わせください。