2026.03.17
スタートアップの雇用契約書で必ず入れるべき条項

シリーズA直後に弁護士が真っ先に確認するポイント
シリーズAで資金調達を終えたスタートアップは、事業拡大のために採用を一気に進めるフェーズに入ります。
しかしこのタイミングで多いのが、
- 雇用契約書がテンプレのまま
- 条項が不足していてトラブルになる
- 退職後に競合へ流出する
- ストックオプション設計と整合しない
といった労務リスクの爆発が起こりがちです。
スタートアップの雇用契約書は、大企業と同じでは足りません。
むしろスタートアップ特有の事情に合わせて条項を設計する必要があります。
この記事では、スタートアップが必ず入れるべき雇用契約条項を弁護士の視点で整理します。
なぜスタートアップは雇用契約で揉めやすいのか?

スタートアップでは、採用する人材が
- コアメンバー
- 役員候補
- 技術・営業のキーパーソン
になりやすく、1人の影響が非常に大きいです。
そのため雇用契約が曖昧だと、後から
- 報酬条件の争い
- 知財の帰属問題
- 競業トラブル
- 退職後の情報流出
につながりやすくなります。
スタートアップの雇用契約書で必ず入れるべき条項7選

ここからが本題です。
特にシリーズA後の企業が優先的に整備すべき条項は以下です。
1.職務内容・役割の明確化条項
スタートアップでは「何でも屋」になりがちですが、
職務範囲が曖昧だと後で揉めます。
- 想定外の業務を拒否される
- 配置転換ができない
- 評価制度と噛み合わない
職務内容はできるだけ明確に書きましょう。
2.試用期間と本採用拒否の条件
採用スピードが上がるほどミスマッチも増えます。
試用期間条項が弱いと、
- 解雇リスクが高まる
- 退職勧奨が難しくなる
スタートアップでは試用期間の設計が重要です。
3.秘密保持義務(NDA)条項
これは必須中の必須です。
- 資金調達情報
- 開発ロードマップ
- 顧客リスト
- 価格戦略
が漏れると致命傷になります。
雇用契約書の中で秘密保持義務を明確に規定しましょう。
4.知的財産の帰属条項(職務発明)
特にエンジニア採用では絶対に必要です。
「会社で開発したプロダクトなのに、個人のものになる」
という事故が起こり得ます。
職務発明や成果物の権利帰属を明記しましょう。
5.競業避止義務・副業制限条項
スタートアップ人材は転職市場価値が高く、
退職後すぐ競合に行くケースもあります。
ただし競業避止は無制限に書くと無効になりやすいので、
- 期間
- 地域
- 対象事業
- 補償の有無
を弁護士と設計する必要があります。
6.退職時の返還義務・データ削除条項
退職時にPCやクラウドに情報が残ったままだと危険です。
- 会社支給物の返還
- データ削除
- アカウント返却
を契約で義務付けます。
7.ストックオプションとの整合条項
シリーズA後はSO(ストックオプション)付与が増えます。
ここでよくある落とし穴が、
- 退職時に失効する条件が曖昧
- 雇用契約とSO契約が矛盾する
という問題です。
雇用契約と資本政策を一体でチェックすべきです。
スタートアップこそ弁護士チェックが必要な理由

雇用契約は「採用の書類」ではなく、
会社の成長を守る法務インフラです。
特にシリーズA後は、
- 採用拡大
- 組織化
- IPO準備の入口
に入るため、労務リスクが企業価値に直結します。
まとめ|シリーズA直後に雇用契約を整えることが企業価値を守る

スタートアップの雇用契約書で必ず入れるべき条項は以下です。
- 職務内容の明確化
- 試用期間条項
- 秘密保持義務
- 知財帰属(職務発明)
- 競業避止・副業制限
- 退職時返還義務
- SOとの整合
このタイミングで整備しておくことで、
将来の大きなトラブルを防ぐことができます。
スタートアップ法務は“スピードと精度”が命です

シリーズA直後の採用・組織拡大フェーズでは、
雇用契約書の条項ひとつが将来の大きな労務トラブルや企業価値に直結します。
「テンプレで進めてしまっている」
「SO設計と噛み合うか不安」
「競業避止をどこまで書けるか知りたい」
そんな場合は、スタートアップ法務に強い弁護士が契約書を確認することで、成長フェーズのリスクを大きく減らせます。
高瀬総合法律事務所は、数百件規模の顧問対応実績を通じて、
スタートアップ・成長企業の現場事情を熟知しています。
だからこそ、
- 判断が早い
- 修正が的確
- 事業スピードを止めない
法務支援が可能です。
雇用契約書の整備・チェックは、ぜひ私たちにご相談ください。






