企業法務コラム

2026.02.24

【調達直後スタートアップ向け】シリーズA調達後にやるべき法務整備チェックリスト

【調達直後スタートアップ向け】シリーズA調達後にやるべき法務整備チェックリスト

成長フェーズで後回しにすると致命傷になる論点とは ?

シリーズAの資金調達は、スタートアップにとって大きな転換点です。
資金・人材・事業スピードが一気に加速する一方で、法務整備が追いつかないまま走り出す会社も少なくありません。

しかし、シリーズA以降の法務トラブルは
「訴訟リスク」だけでなく
次回調達・M&A・IPOの足かせになるケースが多く、早期対応が不可欠です。

以下、弁護士の立場からシリーズA調達後に最低限整備すべき法務チェックリストを整理します。

1.株主・投資契約の内容を理解しているか?

1.株主・投資契約の内容を理解しているか?

まず確認すべきは、自社が結んだ契約内容を経営陣が正確に把握しているかです。

  • 投資契約・株主間契約の内容整理
  • 拒否権条項(重要事項の事前承認事項)
  • みなし清算条項・優先分配の有無
  • 将来の資金調達・EXITへの制約

「締結したが、詳しくは覚えていない」は非常に危険です。
経営判断の自由度に直結するため、必ず弁護士と一緒に読み直すべきタイミングです。

2.ストックオプション・株式設計は整理されているか?

2.ストックオプション・株式設計は整理されているか?

シリーズA後は採用強化フェーズに入ります。

  • ストックオプションの発行条件・行使期間
  • 既存株主との希薄化バランス
  • 将来ラウンドを見据えた株式設計

この段階で設計を誤ると、
「優秀な人材が採れない」「次ラウンドで投資家から指摘される」
といった事態に直結します。

3.雇用・業務委託契約は成長仕様になっているか?

3.雇用・業務委託契約は成長仕様になっているか?

人数が増えるほど、労務トラブルの芽も増えます。

  • 雇用契約書の未整備・古い雛形のまま運用
  • 業務委託なのに実態は雇用に近いケース
  • 競業避止・秘密保持条項の不備

特にIT・スタートアップでは、
退職後の競業・情報流出トラブルが頻発します。
初期段階だからこそ、契約で線を引くことが重要です。

4.知的財産は「会社のもの」になっているか?

4.知的財産は「会社のもの」になっているか?

意外と見落とされがちなのが知的財産です。

  • ソースコード・デザインの帰属確認
  • 創業メンバー個人名義のままになっていないか
  • 業務委託先との権利帰属条項

知財の帰属が曖昧なままだと、
次回調達やM&Aで即NGを出されることもあります。

5.利用規約・プライバシーポリシーは現実に合っているか?

5.利用規約・プライバシーポリシーは現実に合っているか?

ユーザー数・取引量が増えると、
規約の甘さがそのままリスクになります。

  • 実際のサービス内容と規約がズレていないか
  • 責任制限条項は適切か
  • 個人情報の取得・利用が法令対応できているか

「テンプレを置いただけ」の規約は、
トラブル時にほぼ役に立ちません。

6.取引先との契約が属人的になっていないか?

6.取引先との契約が属人的になっていないか?

売上が伸び始めると、営業現場で契約が先行しがちです。

  • 口約束・メールベースの取引
  • 契約書未締結の継続取引
  • 解約条件・損害賠償条項の不明確さ

シリーズA後は
スピード優先から管理も両立へ
意識を切り替える必要があります。

まとめ。シリーズA後の法務は「守り」ではなく「成長装置」

法務整備というと「トラブル回避」のイメージが強いですが、
シリーズA以降の法務は、

  • 経営判断を速くする
  • 次の資金調達をスムーズにする
  • 会社の価値を下げない

ための経営インフラです。

「後で整えればいい」と先送りにしたツケは、
最も忙しいタイミングで一気に回ってきます。

シリーズA調達を終えた今こそ、
一度、弁護士と一緒に法務を総点検することを強くおすすめします。

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