企業法務コラム

2024.08.21

【比較で分かる仲介とFA】M&Aにおける仲介とFAの違いを知っていますか?

【比較で分かる仲介とFA】M&Aにおける仲介とFAの違いを知っていますか?

M&A(Mergers and Acquisitions、合併と買収)において、仲介とFA(フィナンシャルアドバイザー)の役割は非常に重要です。しかし、この二つの役割について十分な説明がなされないことがあります。この記事では、M&Aに関わる際に知っておくべき仲介とFAの違いについて詳しく解説します。

仲介とは?

仲介とは、M&Aにおいて売り手と買い手を結びつける役割を果たす専門家や企業のことを指します。仲介者は以下のような業務を行います。

  • 売り手と買い手のマッチング:適切な買い手または売り手を探し出し、両者を引き合わせます。
  • 交渉支援:取引条件の交渉をサポートし、双方が納得できる条件を見つけるために助言します。
  • 情報提供:M&Aプロセスに関する情報や市場動向を提供します。

仲介者は、主に取引の成立に対して報酬を得るため、迅速かつ効率的なマッチングを目指します。そのため、取引の成立に強いインセンティブを持っています。

FA(フィナンシャルアドバイザー)とは?

FA(フィナンシャルアドバイザー)は、M&Aにおいて売り手または買い手に対して包括的な助言を行う専門家や企業です。FAの主な業務は以下の通りです。

  • 戦略立案:M&A戦略の立案をサポートし、企業の長期的な目標に合致する取引を提案します。
  • 価値評価:対象企業の価値評価を行い、公正な取引価格を提示します。
  • デューデリジェンス支援:法務や財務の調査を行い、取引のリスクを評価します。
  • 取引条件の交渉:取引条件の交渉を主導し、顧客の利益を最大化するよう努めます。

FAは、顧客の長期的な利益を考慮し、取引の成功だけでなく、その後の統合プロセスやシナジーの実現にも注力します。

仲介とFAの違い

役割の焦点

仲介:主に取引の成立を目指す。

FA:取引の戦略的価値と成功後のシナジーを重視する。

報酬形態

仲介:成功報酬が主。

FA:着手金や月次報酬、成功報酬など多様な報酬形態がある。

提供するサービスの範囲

仲介:マッチングと交渉支援が中心。

FA:戦略立案、価値評価、デューデリジェンス、交渉支援など、幅広いサービスを提供。

まとめ

M&Aにおいて、仲介とFAの違いを理解することは非常に重要です。仲介は迅速な取引成立を目指し、FAは取引の戦略的価値と成功後の統合に重点を置きます。企業がどちらを選ぶかは、取引の目的や状況に応じて異なります。

弁護士としてM&Aに関わる際、クライアントに対してこれらの違いを明確に説明し、最適なアドバイスを提供することが求められます。適切な仲介者またはFAを選ぶことで、取引の成功とその後の発展を支援することができます。

M&Aに関する専門的な助言が必要な場合は、信頼できる弁護士や専門家に相談することをお勧めします。

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