企業法務コラム

2024.07.30

独占禁止法と下請法の関係性

独占禁止法と下請法の関係性

独占禁止法とは?

独占禁止法は、日本の公正な競争を確保するための法律です。正式名称は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」です。この法律は、企業間の競争を促進し、消費者の利益を保護するために制定されました。独占やカルテル、優越的地位の乱用など、競争を制限する行為を禁止し、自由で公正な市場を維持することを目的としています。

下請法とは?

下請法(正式名称「下請代金支払遅延等防止法」)は、主に中小企業を保護するための法律です。この法律は、下請業者に対する不当な取引慣行を防止し、公正な取引環境を確保することを目的としています。具体的には、11種類の禁止行為を規制していて、例えばよくある相談を受けるケースとして、下請代金の支払遅延や不当な減額、返品、強制的な購入要求などがあります。

独占禁止法と下請法の関係性

独占禁止法と下請法は、それぞれ異なる視点から公正な取引環境を確保するための法律ですが、その目的は共通しています。独占禁止法は市場全体の競争を促進し、公正な競争環境を維持することを目指しています。一方、下請法は特に弱い立場にある下請業者を保護し、公正な取引を実現することを目指しています。

この2つの法律は、競争と公正な取引の促進という点で補完的な関係にあります。独占禁止法が市場全体の競争を守るために、大企業の優越的地位の乱用を取り締まる一方で、下請法は個別の取引において下請業者が不利益を被らないように保護します。例えば、大企業が下請業者に対して不当な要求をした場合、独占禁止法による取り締まりが行われると同時に、下請法によって具体的な不当行為が是正されることになります。

簡単に独占禁止法と下請法の関係性は

大企業などが中小企業に、その強い立場を活かして、弱い立場の企業を不利益な取引を強いる(優位的地位の濫用)といったことを禁止していますが、独占禁止法ではカバーしきれなかった部分を「下請法」の登場によってよりきめ細かく中小企業を取引を守っています。つまり独占禁止法で足らないところをカバーしているのが下請法です。

まとめ

独占禁止法と下請法は、公正な取引環境を確保するために重要な役割を果たしています。独占禁止法は市場全体の競争を保護し、下請法は下請業者の権利を守ります。両者の関係性を理解することで、公正な取引環境の実現に向けた取り組みをより深く理解することができます。

私たち高瀬総合法律事務所ではこうした下請法の問題を始め契約に係る企業法務を得意とした弁護士事務所です。まずは初回は相談は無料ですのでお気軽に現状についてご相談ください。

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