下請法・独占禁止法の対象チェック
あなたの会社は下請法の対象になっていませんか?
経済環境の変化により、インフレや原材料価格の高騰により、下請け企業の経営が圧迫されている可能性があります。
このような状況下で、適正な取引慣行の重要性が増しています。
そこで簡単ではありますが、このコンテンツでは、
現在の取引、これからの取引が下請法の対象かどうかチェックすると共に、下請法について知識が深まります。
下請法の対象となるには以下の3つの条件が当てはまれば下請法の対象となります。
これらに抵触した場合は下請法違反となります。
※一部例外もあります。
1.親事業者とどんな取引をしていますか?
製造委託
親事業に委託されて物を作る仕事
- 自動車メーカーから、部品メーカーにエンジンや車体部品の製造を依頼された
- 食品メーカーから、OEM工場に加工食品の製造を依頼された
修理委託
親事業に委託されて修理したり
修理した品物を納める仕事
- エアコン修理を受注した親事業の修理行為の全部または一部を委託された
- 親事業者が自社で使用する物の修理を受託した修理業務の一部を委託された
情報成果物作成委託
親事業に委託されてデザインや設計図といった
情報を作る仕事
- 建設業者の親事業者が施主から依頼された建物の設計図の作成を委託した
- 親事業者であるソフトウェア会社が、フリーランスのプログラマへプログラム開発を委託した
役務提供委託
親事業に代わって無形のサービス提供する仕事
- 親事業者であるイベント会社が、警備会社にイベントの警備を委託した
- 親事業者である人材派遣会社が、人材を派遣を委託する
下請法の対象とならない取引
建設業の親事業者から請け負った建設工事は下請法の対象になりません。
建設業者が行う取引全般が下請法の適用を受けないというものではありません。例外として建設業者が施主等から建物の建築とともに当該建物の設計図面の作成を請け負った場合などに、その設計図面の作成を他の事業者に委託する場合には 情報成果物作成委託として下請法の適用を受けます。
下請法・独占禁止法で弁護士を相談検討したい方に
2.取引当事者の資本金
親事業者と取引した委託内容によって、また親事業と子事業者の資本金の金額によって下請法の対象となるか変わってきます。いずれも対象範囲は法人だけに留まらず、個人事業主も含みます。
※2024年5月に対象となる親事業の資本金は1000万円超(1000万1円以上)に加え、1000万以下の事業者も対象となりました。
改正前までは親事業の資本金が1000万円ぴったりであるケースが多く、その場合は下請法の対象とはならないこと多くありました。このことにより1000万円以下の親事業者を対象とするように対応したものが今回の改正になります。
2024/11/05追記
「プログラム作成、運送、物品の倉庫保管および情報処理に関係しないもの」
ってどんな取引内容?
情報成果物作成委託・役務提供委託(つまりサービス提供)の取引業務の中でも、「プログラム作成、運送、物品の倉庫保管および情報処理に関係しないもの」は親事業者と子事業者の資本金の金額が通常と異なります。
では「プログラム作成、運送、物品の倉庫保管および情報処理に関係しないもの」とは何か、次のような取引業務が考えられます。
- 商品パッケージのデザイン
- アニメやイラスト作成
- 書籍の執筆業務
- コールセンター業務
- 商品写真の撮影業務
- ガードマン警備業務
- コンサルティングサービス
- 建設会社から依頼された設計図の作成
- ビルの清掃業務
- 人材派遣の代行業務
- WEBサイトの制作業務
- 建物メンテナンス業務 など
親事業者が対象となる金額を超えずにぴったりだったら?
例えば親事業者から部品の製造委託を受けていて、親事業者の資本金が1,000万円ぴったりだった場合は1000万円超(1000万1円以上)ではないため親事業者とはなりません。例外はなく、資本金の関係の通りとなります。